まえがき

ジムカーナってなんだ?

練習会に行ってみよう。

次は競技会だ。

ライセンスを取ろう。

ハマっちゃったあなたに。

快適ジムカーナのススメ。

▼付録

慣熟歩行のセオリー

国内競技車両規則(抜粋)


快適ジムカーナのススメ

一通りジムカーナを体験し、もう抜けられない泥沼(笑)にハマってしまったあなたは、むりに逃れようともがかない方がいい(爆)。だって、モータースポーツは本能に働きかける強烈な楽しさを我々に教えてくれるから、あの刺激を一度体験してしまったら、それを代替するものなど、そうそう他で見つかるワケがないのだ。

それならとことんこのジムカーナを楽しんでしまおうじゃないか。
ジムカーナは前にも述べた通り、その競技人口に関わらずマイナーなモータースポーツに甘んじている。別にマイナーなのが悪いわけじゃないが、もっとみんなで楽しめるようになったらもっと素晴らしいものになる。

競技自体の在り方は、JAFでないと変えられない。でも、これだって最近はJAFも参加選手の意見をいろいろ聴くようになって、だいぶやりやすい方向に変わってきている。こちらももうヒト押しだ。
でも、そんな制度面での改正とは別に、僕らが自分達でジムカーナを楽しくする方法は他にもたくさんある。楽しければ友達も積極的に誘えるし、友達が増えればジムカーナはもっと楽しくなる。

今、こういった情熱を持った人たちが、各方面で積極的な活動を行っている。ジムカーナを楽しくするもつまらなくするも、結局我々参加者自身によるのだ。
だって、参加者が主役になれるモータースポーツ、それがジムカーナなんだから。

 

 

●快適観戦グッズを揃える
――観てる時間の方が長いのだ

ジムカーナ場に一度でも行くと分かるが、正直いってジムカーナ場の観戦設備というのは19世紀並みだ。
「ドライバーが走る」ための設備や「競技を行う」ための付帯設備以外は何もない。
売店などある方が珍しい。自動販売機があるのみだ。
トイレもお世辞にも快適とは言い難い。

前述したことだが、ジムカーナは興行的モータースポーツではないし、プロが中心でもないから、投入されるお金だってタカが知れている。そう考えると、こういった状況も致し方ないとはいえる。
もちろんジムカーナ場側も少しずつ改善してくれてはいるが、ジムカーナ場が大きなサーキット並みに快適になるのは、今世紀中は諦めた方がいいだろう(笑)。

しかしそんなにブー垂れていても何も始まらない。

昼飯はいつも冷たいコンビニ弁当、冬は北風に吹きっさらし、夏は夏で日差しに照らされて帰ってみたら“土方焼け”・・・・な〜んてんじゃ彼女も呼べない。
男だって軟弱な野郎なら2度と来ないだろう。
「ジムカーナな一日」を楽しく快適に過ごす環境は、自分達で作れる部分がたくさんあるのだ。
なにしろ、自分が走っている時間より、見ている時間の方が圧倒的に長いんだから、これを快適にしなきゃ。

別にたいそうなことをする必要なんてない。
アウトドアラーの人から見れば、初歩中の初歩ともいえるちょっとした道具を用意するだけで、ジムカーナの観戦環境は劇的に快適になる。
それでは、きくりん選手が実践したり見たりしていいと思う観戦グッズを紹介しよう。

折畳みイス
これは基本中の基本とも言えるもの。ジムカーナ場ではスタンドのようにちゃんと座って観戦する設備が満足にない所が多い。最近はかなり小さくたためる椅子やベンチもあるので、複数持って行くと団欒にも便利。これがないと立ちっぱなしか地面に座ることになるからね。

折畳みテーブル
ホームセンターなどで売っている、広げると椅子も同時に展開されるタイプの物がコンパクトで軽くて便利だが、これは場所を取る割にはくつろげないのであまりお勧めしない。
最近きくりん選手は椅子とテーブルは別々に持って行っている。やはりゆっくり座って食事をしたり団欒するには、テーブルがあった方が絶対にいい。

コンロ・ヤカン
「うそ〜」と思うかもしれないが、冬ならこれは是非持って行くべき。家庭用のカセットコンロでもいいし、キャンプ用のバーナーならなおいい。これで途中のコンビニでカップ麺やカップのコーヒーを買っていけば、冬でもあったか。オプションとして鍋を持っていき、おでんを煮込むという手もある。きくりん選手とその仲間は、ジムカーナ場で豚汁だとかスパゲティだとかカレーだとかを作るのは、日常茶飯事である。

クーラーボックス
釣りに行くわけじゃないので、デッカイのは要らない。ソフトタイプの折畳みが出来る奴で充分だ。夏ならこれに保冷材を入れておけば、常に冷たい物が飲める。 ビ・・・ビールっすか・・・?ギャラリーならいいんじゃないでしょうか(笑)?

カメラ・ビデオカメラ
お互いに撮ってあげれば、後から走りの研究にもなるよ。それに撮った写真を見ながらワイワイやるのは楽しいよね。特にパドック風景とか。きくりん選手はカメラ持ってウロウロし、おいしい写真は勝手にホームページにアップします(笑)。ビデオはホントに走りの研究になるので、ぜひお勧めしたい。

その他細かいもの
これ以外にも極意としては
  • 『ティッシュペーパー』『お手ふき(ウェットティッシュ)』、『タオルを多めに』
  • 『ハンドソープ(石鹸)』
  • 『ゴミ袋』
というのがある。特にウェットティッシュがあればいろいろ拭いて清潔を保てるし、ハンドソープがあれば汚い手もちゃんと綺麗にすることが出来る。大きなゴミ袋があれば、ゴミをまとめるのも楽だ。
とまぁ、こんなところだ。
かなりの大荷物に見えるが、実際問題なく積めてしまう。というのは、ジムカーナ車両の場合後ろに人を乗せて来るということはあまりないから、後席をラゲッジスペースとして活用できる。それにそもそも2名乗車に変更して、後ろには人が乗らないようになっている車も多いし(苦笑)。

さて、さらに快適な環境を模索するあなたは、以下のような物を揃えるといいだろう。応用編だ。

折畳みテント
宿泊用じゃなくて、屋根型のヤツね。いわゆる「EZアップテント」というものだ。全日本などではパドックなどで車両整備に使っている。本家アメリカ生まれの舶来品はそれなりの値段がするが、最近は日本製の「簡単タープ」というのが出回っている。実を言うとこの日本製のほうが圧倒的に安くて使い勝手が良かったりするので、ホームセンターなどで見かけたら買っておくといいだろう。

バーベキューグリル・しちりん
そう、読んで字の如くバーベキューをしようという話。実はダートトライアルなどでは、パドックでバーベキューと言うのはかなりポピュラーなのだが、ジムカーナではなかなかお目にかからない。しかしきくりん選手の周りでは、これはほとんど必携になっていて(笑)、隅っこで肉を焼いていることが多い。
ただ、パドックは火気厳禁だし、煙やニオイで迷惑をかけることもあるので、周りの人には充分に配慮するようにしたい。
てな感じで、ぜひ「快適観戦環境」を構築して欲しい。
せっかく友達や彼女を誘って連れて来ても、つまらない思いや不快な思いをさせちゃったら申し分けないからね。出来る限り快適な環境を整えて、楽しめるようにしようじゃないか。
というわけで、もしもっといい方法があったらぜひ実践し、当ページにフィードバックしてくれるとありがたい。
 

●カッコつけていこうぜ!
――ハッタリも速さのうち!?

速いヒトはエラい。
速いヒトはカッコイイ。
これは当たり前である。
しかし、一番になれる人はたったの一人。
ましてジムカーナ初心者の我々がこの「カッコイイ」人になれるわけがないのだ。
しかし、世の中一般的に見れば「カッコ」というのは、人のモチベーションを形成する上で非常に重要なファクターとなっている・・・と、南行徳総合研究所・きくりん博士は言っている。

どんなにカッコつけても、走ってタイムが出ればイッパツで分かること。
でも、走る前はどの人が速いかなんてのは分からないのだ。
まして、知らない選手ばかりなら、ハッタリをカマすことで牽制し、プレッシャーを与えることも可能である(爆)。
ここでは前出・きくりん博士によるハッタリ学を観てみよう。

まず、ハッタリグッズとして、是非とも必要なのは以下の装備だ。

  • レーシングスーツ
  • レーシングシューズ
  • パーツメーカー(特にタイヤメーカー)ロゴ入りのキャップ
  • 同様のロングコート
レーシングスーツやレーシングシューズなどは、かなり値段が高い。
最近は安価な物が出てきているが、それでも揃えるのは結構大変だ。
しかしハッタリ学を修める真のハッタリ野郎はそれくらいの出費は覚悟しなくてはならない。
これらは「安全装備」として非常に有効なので、是非とも揃えたいところだ。
このグッズを身に纏っているだけで、「を!?こ、この人は速いのか!?」という動揺を与え、出走前のライバルに精神的な揺さ振りをかけることが出来る。

パーツメーカのロゴ入りキャップやコートなどは、お金を払えば手に入るものと、何らかの手段でしか入らない物があり、これはケースバイケースだ。
しかし常に虎視耽々とゲットの機会を狙うこと。
このグッズはレーシングスーツと組合わせないと効果半減だ。
レーシングスーツ姿にこれらのグッズを加えると、いかにも「サポート受けてるぜ」的演出を醸し出すことが出来る。
ここまでやれば、もう出走前に精神状態では勝っているといっても過言ではない。

次に『行動編』だ。

たとえ分からないことだらけだったり、出走前で吐きそうなくらいキンチョーしていても、決してそんなそぶりを見せてはイケナイ。
ハッタリは朝来た時から始めなければ効果はない。

まず、クルマから荷物を降ろす時には、スムーズに且つテキパキと行う。
降ろした荷物をどこに置こうか、などとオロオロするのは言語道断である。
皆がバタバタやっている時に作業を終え、余裕をかましつつパドックをウロウロしたり、車内や観戦席でタバコをふかす・・・というのが、正しいハッタリ野郎の姿だ。
このためには、人よりも早く起きてゲート前に並び、ゲートオープンと同時に一番乗りで入場するくらいの、地道な努力は必須である。

慣熟歩行の時にもハッタリはかませる。
慣熟歩行をしつつ、ワザとらしく時折しゃがみこんで路面のチェックをする“フリ”をしてみたり、立ち止まって後ろと前を見ながらラインのチェックをしている“フリ”などは、基本中の基本である。
この時に仲間と歩きながら、走りの講釈などをするとカンペキなのだが、どう考えてもそんなことを出来るレベルでないことは明らかである。ボロを出す確率が高くなるから、これは避けた方が賢明だ。

次は出走前だ。
自分の出走までに相当間があるのに、静かにマシンに乗り込んで目をつぶる。
そう、イメトレしている“フリ”をかますのだ。
さらに時折「ロックトゥロック」などをしたりすると、かなり効果的である。
ライバルがあなたの姿を見て慌ててマシンに乗り込んで来るようなら、ハッタリは成功だ。
逆に、出走直前になったら今度は煙草を優雅に吹かせて、余裕の“フリ”をすることで、ハッタリ道は完成を見る。

これらのハッタリにも関わらず、リザルトのタイムが圧倒的に悪い場合には、後ろ指さされる前にみずから笑いを取る方向にフォローするのが極意である。
さらに、これらのハッタリ遂行中の姿を、知っている人間から指摘されて笑いを取れるようになれば、一人前のハッタリ野郎となることが出来るのだ。
是非精進してもらいたい。

 

●ネットで情報交換
――友達が増えればますます楽しい

このページをご覧になっているということは、当然インターネットに繋げられる環境にあるということだ。
そして、急速に広がるインターネットとその可能性に比例して、ネット上でのモータースポーツ参加者の輪も急速に広がっている。
このページを公開し始めた1996年には、「ジムカーナ」というキーワードでYahoo!を検索しても、1ページに収まるほどしかホームページはなかったのだ。

現在ではこういったネットワーク上で、現地でしか会えなかった選手達とも毎日言葉を交わすことが出来る。
他愛ない話から、走りやクルマの話まで、常に問題をみんなで共有することも出来る。
こうして出来た人的なつながりは予想以上に強固な物で、ジムカーナ場で彼らと再会できることが、新たなジムカーナへ参加する楽しみとなってくるのだ。

ジムカーナをやっている人たちは、モータースポーツの楽しさを教えてくれたこの競技をとっても愛しているし、その楽しさを知ろうとする初心者に対しても非常にオープンで気さくだ。
各ページに設置されている「掲示板」などでは、毎日各選手が色々と話をしているから、ここで輪に加わるのも非常に有効な手段だろう。

今は、ホームページも簡単に作成・公開できるようになったし、CGIなどの知識がなくても掲示板の設置も気軽にできる。
ジムカーナを経験した多くの選手は、やはりその楽しさに取りつかれ(笑)、そしてまた多くのジムカーナ系ページが増えてゆく。そしてそれぞれのページで、仲間同士が交流を深めている。

当ページの「伝言板」もかなり古く、ジムカーナのみならずダートラ、ラリーに至るまで、県戦ドライバーから全日本ドライバーまでが、毎日活発に交流している。
こうして広がった人の輪は、モータースポーツを楽しく続けていく上で、お金では決して買えない貴重なものだ。

より楽しいジムカーナライフを過ごすために、よい仲間を得ることを心がけよう。

 


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