あなたは「モータースポーツ」と聞いて、何をイメージする?
F1?WRC?ツーリングカーレース?パリダカ?
日本中がバブル経済に踊っているさなか、某テレビ局がF1(フォーミュラ・ワン)の中継を開始し、日本でF1グランプリが開催されるようになると共に、日本中にF1ブームが起こった。
これは1960年代に次ぐ、日本における第2のモータースポーツの幕開けだと騒がれ、日本にもようやく欧米並みにモータースポーツ文化が根づくものと期待された。
すでに10数年前の話である。
しかし、それによって日本のモータースポーツは何かが変わったのか?
多くの人にとって、基本的には「モータースポーツ」とは今だに「観るモノ」であって、少なくとも『参加するもの』と思った人は極めて少ないはずだ。
ちょっとハイソで特別なものという印象だろう。
週末、競馬場にカップルで行くのはだいぶ定着してきたけど、ドライブがてらオーバルコースサーキットに行ったことがある人は、ほとんどいない。
一方では「オタク化」が広がり、ビデオや雑誌にかじりつき、ダート走行はおろかクルマを汚したこともない人が、ワケ知り顔にWRC通を気取ったり、マンガを読んだだけで自分にも同じことが出来ると思いこんだ若者が、自分の歳よりも古いクルマをありがたがって高い値段で買っている。
結局、あのバカ騒ぎが日本に残した【モータスポーツ文化】とは、しょせんこの程度のものだったのだ。
あぶく銭をイメージアップのためだけにF1につぎ込んだバブリー企業、
それに擦り寄ってちょっとした特権意識をむさぼるマスコミ、
女を“落とす”ツールとしてチケットとパドックパスを漁るバカ男ども、
世界でも類をみない露出度を誇るレースクイーン・・・。
F1に引きずられて一気にスポットライトを浴びた他のジャンルの競技も同様だった。
視聴率が取れるから、売れるからマスコミは報道する。
媒体露出が多ければ、単なる流行のファッションだと勘違いしたバカ女どもが群がる。
女の群がるところオトコは集まる。
結局、あのF1ブームは、単なる興行としてのF1が成功しただけであって、モータースポーツ文化が開花したわけではなかったんである。
モータースポーツが“文化”になるためには、少なくとも「モータースポーツが特別視されない身近なモノ」でなくちゃダメだ。
たしかに、モータースポーツはキレイごとではなく、マジで金がかかる。道具を使うスポーツの中でも、その道具代が格段に高い。
でも、考えてみよう。草野球が大好きな人がプロ野球を見たり、時には球場に応援にも行くのは普通のことだし、サンデーゴルファーがプロゴルフ中継を観たり、時にはコンペで同じコースを回ったりするのも良くあることだ。全然特別なことじゃない。
プロスポーツというものがあっても、アマチュアはアマチュアとしてそれぞれのスポーツを楽しむことが当たり前だ。
なのに、クルマを日常みんな運転していながら、モータースポーツはどうしてこんなに特別なのか?
仕事が終わって晩酌しながら、TV中継のWRCに興じるのが唯一の楽しみだ、というオヤヂさんが近所にいてもいいし、「天気がいいからダートラでも見に行こうか」なんていう家族や、老後は毎日サーキットを一時間走るおじいちゃん、徹夜のラリー明けで会社に来る部長が普通にいたっていい。“接待レース”なんてのがあってもいいじゃないか。
・・・とはいえ実際のところ、じゃぁモータースポーツの世界に飛び込むにはどうすればいいの?という話になると、一般の人にはその具体的な道筋がまったくと言っていいほど知られていない。
街中にある打ちっ放しの練習場のように普段から目に触れることもないし、河川敷の野球グラウンドや、市営のテニスコートのように近くに借りられる場所があるわけでもない。B級ライセンスをJAFが発行していることを知っている人すら少ないはずだ。
いきなりサーキットに行ったってレーサーになれるわけではないことくらいは分かっていても、じゃぁどうすりゃなれるんだ?となると、どこに聞いていいのかすらわからない。
それに、「とても自分のような一般市民に出せる金額で楽しめないんじゃないか」、「特殊な技能が必要なんじゃないか?」、「危険じゃないのか?」、「クラッシュしたら?」、「怪我は?」
・・・・知りたいことはいっぱいある。分からないことばっかりだ。
こんな分からないことだらけ世界に飛び込むのは、普通の人だったらとっても勇気のいること。
だから、興味はあってもその入口の前で「どうしたものか・・・」とウロウロしてしまう人が大勢いると思うし、そうであっても全然恥ずかしいことではない。
もしかしたらこのページを観てくれたあなたもその一人かもしれない。
そんなあなたに、明快にお答えしよう。
モータースポーツに参加するのは思っているほど難しいものじゃない。
そしてあなたの不安に明快に答えてくれるモータースポーツが、実はある。
それが『ジムカーナ』だ。
『ジムカーナ』。
かなりの車好きの人でも「聞いたことはある」程度、
まして普通の人ならそのケッタイな名前も含め、見たことも聞いたこともないはずだが、
この『ジムカーナ』、実は日本でイチバン競技人口の多いモータースポーツなのだ。
おそらく『カーリング』よりは確実に多い(笑)。
赤色灯に追いかけられ、住民の怒りを買いながら夜中にコソコソ峠を走るより、明るい日の下でみんなで楽しく堂々とアクセルを踏もう。
走れる埠頭を探しまわったあげく、不名誉な「族」呼ばわりされるよりも、堂々と競おう。
ビデオを見てるだけで、グランツーリスモでトップになるだけで満足感に浸るより、ホンモノのクルマを自分で操ろう。
自分で思いっきりアクセルを踏んで、首が折れそうな横Gと内臓が飛出しそうな減速Gを体験すれば、これはアタマではなくカラダと本能に訴えかける楽しさだということが分かる。
スタート前の緊張感と、全身を襲う強烈なGに快感を覚えれば、あなたはもう立派な競技ドライバーだ。
オイルとタイヤのやけるニオイ、心地よく吹く風を感じながら、太陽の下仲間と騒ぎ競い語らい、トップタイムを叩き出して彼女にイイトコ見せれば、もうそこは『ジムカーナパラダイス』。
『ジムカーナ』を知れば、あなたはモータースポーツというものをきっと理解することが出来るだろう。
このページは、管理人・きくりんが万年初心者の立場から、モータースポーツの『門』を叩く前に『門』の前で尻込みしている人たちに向けて、出来るだけ懇切丁寧・手取り足取り詳細に説明しているページである。
ジムカーナのページはたくさんあるが、本当にジムカーナの“ジ”の字も知らない人が知識を得ることの出来るページはなかなかない。
それならばこのようなページが一つくらいあってもいいじゃないか。このページをきっかけにして、ジムカーナを志す人が増えたらこんな嬉しいことはない。
管理人・きくりん