▼おことわり
このページに記載されている「JAF国内競技車両規則」は、きくりんが独自に抜粋・転載したものであり、JAFによる公式なものではありません。誤字・脱字、あるいは記載ミスがある可能性があります。また、それらによって被ったいかなる損害・不利益についても、一切の責任を負いかね
ます。
第4章 スピードSA車両規定
- 第1条 安全規定
- 改造および付加物の取付けなどにより競技会技術委員長が安全でないと判断した場合、その指示に従わなければならない。安全確保の見地から、その事例は「JAF MOTOR SPORTS」誌上に広報される場合がある。
- 1.1)配管類
-
- 1.1.1)配管類の保護
- 燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部からの損傷を受けぬよう(飛石、腐食、機械的損傷等)、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室内には絶対に火災を発生させない配慮を必要とする。
- 当初の保護物をそのまま維持するのであれば追加の防護は不要であるが、防音材および防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる保護策を講じなければならない。
- 1.1.2)仕様および取付け
- 取付けは下記の仕様に合致していなければならない。
- 1.1.2.1)液体用配管
- 液体用配管を車室内に通すことは許される。しかし、クールスーツ用等の冷却水パイプ、ブレーキ用配管を除き、これらのパイプを車室内で連結してはならない。
- 隔壁においては、第4−1図および第4−2図にしたがって配管してもよい。
- 1.1.2.2)燃料および潤滑油用配管
- 最低破裂圧力7MPa(70bar/1000psi)と、最低作動温度135℃(250°F)を有していることを推奨する。
- 柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクターとし、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しないもの)外部鋼材を有していることを推奨する。
- 1.1.2.3)油圧液用配管
- 重力下の配管を除き、最低破裂圧力7MPa(70bar/1000psi)またはそれ以上の圧力と、最低作動温度232℃(450°F)を有していることを推奨する。
- 柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクターまたは自動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しないもの)外部鋼材を有していることを推奨する。
- すべての配管、配線は暫定的なものであってはならず、グロメット、コネクター、およびクランプ等を含め十分安全性の高いものにしなければならない。
- 1.2) 安全ベルト
- すべての車両にFIA公認安全ベルトの使用を強く推奨する。
- 4点式安全ベルト等(フック式、固定式)を追加装備する場合、安全ベルトはワンタッチ式フルハーネスタイプとし、日本、EEC、米国いずれかの安全ベルトに関する規則、法規に適合し、かつ第4編付則「ラリー競技おようびスピード行事競技における安全ベルトに関する指導要項」および下記条件に従うこと。なお、安全ベルトの「Y」タイプは4点式とみなす。
- 1) 既設の安全ベルト(3点式等)を変更することなく、4点式安全ベルト等に取付けられているフックを用い容易に既設の安全ベルト取付け装置に着脱できる構造の4点式安全ベルト等を追加装備すること。
- 2) 4点式安全ベルト等は競技走行中のみ装着することが許される。したがって、それ以外の通常走行時は既設の安全ベルト(3点式等)を装着すること。
- 3) 安全ベルト装着による乗車定員変更は許されない。
- 1.3) 消火器
- すべての車両に消火器の装着が推奨される。
- 1.3.1)手動消火装置
- 手動消火装置とは消火装置単体をドライバー等が取外して消火を行なうための消火装置をいう。
- 1)取付け
- 各々の消火容器の取付けは、クラッシュ時の減速度がいかなる方向に加えられても耐えられるように取付けなければならず、取付け方向は車体軸線に対し直角に近い状態であること。(リベット止めは禁止される)
- 金属性ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着のみ認められる。
- 2)取付け場所
- 消火装置はドライバー等が容易に取外せる位置に取付けられなければならない。
- 3)検査
- 消火装置の型式、その容量および総重量を容器の上に明示しなければならない。粉末消火装置の場合、詰め替え年月日を明示し、詰め替え後の有効期間は3年間とする。外部が損傷している容器は交換しなければならない。
- 4)仕様
- 1つあるいは2つの同一消火剤容器とする。粉末1.5kg以上、またはFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。
- 1.3.2)自動消火装置
- 自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルームに対し起動装置によって同時に作動するものをいう。
- 1)取付け
- 各々の消火装置の容器は、いかなる方向にクラッシュ時の減速度が加わってもそれに耐えられるように取付けられなければならない。
- 2)操作 − 起動
- 2つの系統は同時に起動しなければならない。
- いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでない場合、主要エネルギー源から出ないエネルギー源を備えなければならない。
- 運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作できなければならない。
- 車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサーキットブレーカーに接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければならない。また、赤色で縁取られた直径が最小10cmの白色の円形内に赤色でEの文字を描いたマークによって表示されなければならない。
- ヒートセンサーによる自動起動装置が推奨される。
- 装置はいかなる車両姿勢にあっても、喩え車両が転倒した場合でも作動しなければならない。
- 3)検査
- 消火器の型式、その容量および総重量を容器の上に明示しなければならない。
- 4)仕様
- FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。
- 消火装置は耐火性でなければならず、また、衝撃に対して防護されていなければならない。消化剤の噴出ノズルは、ドライバーに直接消火剤がかかることのないように取付けなければならない。(凍傷の危険)
- 5)放射時間
- 車室内 :最短30秒/最長80秒
- エンジン:最短10秒/最長40秒
- 両方の消火器が同時に作動しなければならない。
- 1.4)ロールバー
- すべての車両に4点式以上のロールバーを装着することを推奨する。
- 装着する場合、材質はスチールとし下記の規定に従うこと。なお、オープンカーでジムカーナ競技に参加する場合は4点式以上、ダートトライアル競技に参加する場合は6点式以上のスチール材のロールバーを取付けること。
- @ ロールバーを取付けた状態における乗車装置は、座席面上で座席前端より200mmの点から背もたれに平行な天井(ロールバーが頭部付近にある場合はロールバー)までの距離が800mm以上であること。
- A 乗員の頭部等を保護するため、頭部等に接触する恐れのあるロールバーの部位は、緩衝材で覆われていること。
- B 乗員が接触する恐れのあるロールバーは、半径3.2mm未満の角部を有さないものであること。
- C ロールバーを取付けることにより、前方視界およびバックミラーによる視界を妨げるものでないこと。
- D ロールバーを取付けることにより乗員の乗降を妨げるものでないこと。なお、ロールバーの取付けにより後部乗員のための車内高の確保および乗車口等の確保が出来ない場合には、各運輸支局等において乗車定員変更のための構造等変更検査の手続を行うこと。
- E ロールバーの車体への最小取付け点数:
- メインロールバーの支柱1本につき1ヶ所。
- サイドロールバー(あるいはフロントロールバー)の支柱1本につき1ヶ所。
- リヤストラットの支柱1本につき1ヶ所。
- −各支柱側の車体への取付け板は、面積60cm2、板厚2.5mm以上を有すること。この取付け板は支柱に溶接されていなくてはならない。
- −車体側の補強板は、面積120cm2、板厚3.0mm以上を有し、第4−3図(この場合、溶接は不要)、第4−4図〜第4− 17図(この場合、全周を溶接すること)に示すように取付けること。
- F ロールバーの寸法:
- ロールバーは最小寸法35mm(直径)×2mm(肉厚)以上の継ぎ目のない1本のパイプを使用すること。
- G 寸法測定のためのメインロールケージの曲げ部分、または溶接部分から100mm以上離れた箇所に直径4mmの穴を1ヶ所あ
け、その位置を黄ペイントで明示することが許される。
- 本項に示す寸法測定用の設置は、任意とする。
- H取外し可能な連結金具:
取り外し可能な部材がロールケージの構造として用いられている場合には、使用される取り外し可能な連結具はFIAにより承認された方式、あるいはそれに相当する方式に従っていなくてはならない(第4-18図〜4-28図参照)。それらは溶接されていなくてはならない。ネジおよびボルトは、ISO規格の8.8または、4T以上のものでなくてはならない。
- 1.5) サーキットブレーカー
- サーキットブレーカーを装着する場合は下記規定に従うこと。
- イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチは、その位置が確認できるよう黄色で明示しなければならない。イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチを変更する場合、ONの位置が上、OFFの位置が下になければならない。
- また、運転席および車外から操作できるすべての回路を遮断する各々独立した放電防止型のサーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)を装備しなければならない。これらはすべての電気回路を遮断できるものであり、エンジンを停止することができるものであること。その場所は外部から容易に確認できる位置とし、赤色のスパークを底辺が最小12cmの青色の三角形で囲んだ記号で表示すること。引くことにより機能する車外操作部を持つサーキットブレーカーを運転席の反対側のフロントウィンドシールド支持枠の下方付近に設置すること。ただし、車両の構造上フロントウインドシールド支持枠の下方付近に設置することが不可能な場合、運転席の反対側のセンターピラーあるいはクォーターピラーの外部から操作可能な位置に装着することが許される。
- 1.6) けん引用穴あきブラケット
- すべての車両は、前後にけん引用穴あきブラケットを備えなければならない。このけん引用穴あきブラケットは、車両をけん引して移動するのに取付け部分も含め十分な強度を有していなければならない。車両が砂地に停車したときでも使用が可能な位置に取付けられていなければならない。
- 新たにけん引用穴あきブラケットを装着する場合は下記の要件を満たすこと。
- @ 材質は、スチール製でなければならない。
- A 最小内径:50mm
- B 内径の角部はRを付けて滑らかにすること。
- C 板製の場合、最小断面積(取付け部分も含む):1cm2
- D 丸棒の場合、最小直径10φ以上。
- E 黄色、オレンジ色、あるいは赤色に塗装されていること。
- 第2条 一般改造規定
- 第1章一般規定、本章の安全規定および本章の一般改造規定で課せられている以外、全ての改造は禁止される。車両の構成要素は当初の機能を保持しなければならない。本規定によって許可されていない全ての改造は、明確に禁止される。
- 改造の範囲や許可される取付けは下記(第3条〜第9条)に規定される。
- なお、当該車両についての分解整備(原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置または連結装置を取外して行なう車両の整備または改造であって道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第3条で定めるものをいう。)をしたときは、遅滞なく点検整備記録簿に整備の概要等を記載しなければならない。ただし、分解整備事業者が当該分解整備を実施した時は、この限りではない。
- 第3条エンジン
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- 3.1)エンジンおよび補機:
- 補修を目的として、当該自動車製造者が当該エンジンの補修用として設定している部品を使用する場合は、第1条の気筒容積別クラスを超えないこと。
- 3.1.1)エンジンマウントおよびミッションマウント
- エンジンマウントブッシュおよびミッションマウントブッシュは、材質および形状の変更を含み加工および変更することができる。ただし、カーボン材は使用してはならず、ブラケットの形状、取付け位置、取付け軸は変更しないこと。
- 3.1.2)フライホイール:
- 元のフライホイールを修正加工したり、また他のものに変更および交換できる。
- 3.1.3)オイルポンプ:
- オイルポンプの容量を変更することができる。
- 3.1.4)バッテリー:
- 他のものへ変更することができる。また、車室内を除き搭載位置を変更することができる。ただし、トランク部への搭載位置変更は、隔壁(9.4.5参照)に加えてバッテリーボックス(強固なカバー)を設置し、堅固に固定されていることを条件に許される。
- ボディアースされていない側の端子は短絡を避けるために絶縁カバー等で覆われていなければならず、搭載位置変更に伴う取付けはステー等により確実に行うこと。アース配線の追加、変更は自由。
- 3.1.5)オルタネーター:
- ベルト、プーリー、取り付け具を含み変更することができる。ただし、当初の機能を有すること。
- 3.2)点火系統:
- ハイテンションコードおよび点火プラグを変更することができる。
- 3.2.1)セルモーター:
- 変更することができる。
- 3.3)吸・排気系統
-
- 3.3.1)エアクリーナー:
- 当初の機構を保持することを条件にエアクリーナーケース、エレメント、配管(パイプ、ホース等)および取付け具を含み変更することができる。ただし、ブローバイガス還元装置は取外さないこと。
- 3.3.2)マフラーおよび排気管:
- マフラーおよび排気管(原動機の排気ポート以降の触媒コンバータを除く管)は、材質、形状(管の太さ、口径等を含む)および排気管の経路を変更することができ、また、排気管出口が複数であったものを単数にすることができる。
- ただし、変更、交換の有無に拘わらず下記@〜Bの規定を満たすこと。なお、オーガナイザーは当該競技会特別規則に規定することにより、音量を規制するこ
とができる(マフラーおよび排気管の変更について制限することを含む)。
- また第4編付則「ラリー車両およびスピード車両(P車両、N車両、SA車両、B車両の排気音量測定に関する指導要項」に従い排気音量を測定することがで
きる。
- @ 排気管は左向きまたは右向きに開口していないこと。
(当初の排気管出口が車両の前後方向の中心線に対して右後方であったものを左後方、左後方であったものを右後方に移設しないこと。)
- A 当該自動車に当初から備えられている触媒コンバータ、排気ガス再循環装置、O2センサー、二次空気導入装置等(各装置の配管・配線を含む)は取外したり、改造してはならない。
- B 遮熱板等(断熱塗装も含む)の熱害対策装置は当初の遮熱性能を有していること。なお、当該自動車の断続器の形式が無接点式である点火装置を備えた自動車については、排気管およびマフラーの遮熱板(同位置の車体側遮熱板を含む)については装着されていなくとも差し支えない。
- 3.3.3)排出ガス:
- 当該車両の基準値を超えないこと。
- ガソリンを燃料とする4サイクルエンジンの排出ガスに含まれるCO、HCの最大基準値は、暖気運転後アイドリング状態においてCO:1%(軽自動車は
2%)、HC300ppm(軽自動車500ppm)である。ただし、1999年8月31日(輸入自動車にあっては2000年3月31日)以前に製作された自動車(輸入自動車以外の自動車で、平成10年アイドリング規制に適合したものを除く)については、最大基準値をCO:4.5%、HC:1200ppmとすることができる。
- 3.4)冷却系統
-
- 3.4.1)ラジエター:
- ラジエター本体ならびに導風板およびダクトを変更・装着および取付け位置を変更することができる。ただし、配管を含み車体から突出しないこと。なお、取付け位置の移動は当初設置されていたコンパートメント内(エンジンルーム、トランク)とする。
- 3.4.2)ラジエターファン:
- スイッチ、配線を含み変更および装着することができる。ただし、車体から突出しないこと。
- 4.2.3)配管:
- 取付け具、リザーバータンク、パイプおよびホース等を含み変更することができる。ただし、配管を含み車体から突出しないこと。
- 3.4.4)オイルクーラー:
- オイルクーラー本体ならびに導風板およびダクト、配管(パイプ、ホース等)および取付け具を含み、変更および装着することができる。なお、配管の経路を確保するための車体の修正加工は許されるが、フレーム等の主要構造体に手を加えてはならない。
- 3.4.5)インタークーラー:
- インタークーラー本体ならびに導風板およびダクト、配管(パイプ、ホース等)および取付け具を含み、変更および装着することができる。補機類、アクチュエーター、ソレノイドバルブ、ブローオフバルブは当初のものを使用し(何ら手を加えてはならない)、配列を変えたり、機能を損なってはならず、配管を含み車体から突き出してはならない。なお、配管の経路を確保するために車体の修正加工が許されるが、フレーム等の主要構造体に手を加えてはならない。
- ウォッシャータンクおよびクーリングタンク等のタンクは、エンジンルーム内であれば移設することができる。また、これらのタンクは専ら当該目的のために
使用するものとし、他の機能を目的としての使用、相互使用およびタンク(数を含み)は変更してはならない。
- 3.4.6)サーモスタット:
- 変更および取外すことができる。
- 第4条シャシー
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- 4.1)最低地上高:
- 9cmとする。ただし、アンダーカバー等の装着車両の当該部位は5cmとする。
(図4−29)
- 4.2)全長および全幅:
- 変更しないこと。
- 4.3)最低重量
- 競技種目別に以下に従った最低重量を保持しなければならない。JAFは性能の均等化を図るため、年度途中でも事前予告をもって最低重量を変更することがある。
- 4.3.1)
- ジムカーナ競技(舗装路面で行うその他の種目を含む)に参加する車両は、当該自動車製造者発行のカタログに記載された主要諸元一覧表の車両重量から50kg減量された値とする。
- 4.3.2)
- ダートトライアル競技(非舗装路面で行うその他の種目を含む)に参加する車両は、当該自動車製造者発行のカタログに記載された主要諸元一覧表の車両重量とする。
- 4.4)ラバーマウントおよびブッシュ
- ラバーマウントおよびブッシュは材質および形状の変更を含み加工および変更することができる。ただし、カーボン材は使用してはならず、マフラーマウント(取付具)を除き、取付軸は変更しないこと。
- 第5条 駆動装置
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- 5.1)クラッチ:
- ディスク、カバー、スプリング、カラー、メインドライブシャフトフロントカバー、クラッチレリーズシリンダーおよびベアリングを変更することができる。ただし、機械式クラッチを電磁クラッチに、電磁クラッチを機械式クラッチに変更しないこと。
- 5.2)トランスミッション:
- 変速比または変速段を変更することができる。ただし、元のケースを使用し、当初の機能・機構を変更しないこと。
- 5.2.1)変速レバーおよびシフトノブ
- 変更することができる。ただし、かじとりハンドル中心から左右それぞれ500mm以内に配置し、運転席から容易に識別できるようシフトパターンを表示すること。
- 5.3)デファレンシャル:
- フロント・センター・リヤデファレンシャルは、数を変更しなければボルトオンで取付けられるリミテッドスリップデフ(ビスカスカップリングを含む)を取付けることができる。ただし、元のケースを使用すること。また、これらに関連するドライブシャフトは、同一車両型式内に使用されているものであれば変更することができる。
- 5.4)最終減速比:
- ギア比の変更は、ボルトオンを条件に許される。
- 第6条 制動装置
- パッドおよびライニング材質を変更することができる。但し、カーボン材は使用しないこと。マスターシリンダー、ホイールシリンダー、倍力装置、ブレーキカム、ブレーキドラム、ディスクブレーキのキャリパー、ローター、配管(パイプ、ホース等)、取付け具等の補強装置を変更することができる。また、マスターシリンダーストッパーを追加することができる。ただし、駐車ブレーキを含み、ドラムブレーキディスクブレーキに、またはディスクブレーキをドラムブレーキに変更および作動機構、操作装置(ペダル、レバー等)の変更は行わないこと。バックプレートは変更および取外すことができる。
- 第7条 サスペンション
- 材料の追加によるサスペンションおよびその取付け部の補強を認める。サスペンションの補強部が、中空体を作ることになってはならない。部分的であっても、全体的であっても複合素材(カーボンコンポジット)から成るサスペンション部材は禁止される。
- 7.1)スプリング:
- 数は、スプリングを連続して取付けることを条件として自由。長さ、コイルの巻数、ワイヤーの直径、外径、スプリングの種類も自由。ただし、下記に従うこと。
- スプリングの形状は、調整できる構造部分がサスペンションシートの一部、当初のサスペンション部分または車体部分から分離している(取外せる)場合、スプリングシートは調整できるものであっても良い。
- @ バネに損傷があり、左右のバネのたわみに著しい不同がないこと。
- A 溶接、肉盛または加熱加工を行わないこと。
- B バネの端部がブラケットから離脱しない(遊びがない)こと。
- C 切断等によりバネの一部または全部を除去しないこと。
- D バネの機能を損なうおそれのある締付具有さないこと。
- E バネの取付け方法はその機能を損なうおそれのないこと。
- 7.2)ショックアブソーバー:
- 材質を含み自由。但し、カーボン材は使用できない。車高調整機構(ネジ式、Cリング式等)を伴うものに変更(使用)すること、ならびにスプリングの受け皿を変更することができる。アッパーマウントをピロボール(キャンバー調整機構のみ付加されたものを含む)に変更することができる。別タンクの車体への取付けを含み、別タンク式のものに変更(使用)することができる。ただし、それらの数、形式、作動原理は変更してはならない。遠隔操作による減衰力調整機構への変更は許されない。
- 7.3)スタビライザー:
- ブッシュ・ブラケット(リンクを含む)を含み変更および装着することができるが、取付けはボルトオンによるものとし、車室内から調整可能であってはならない。また、同一車両型式に当該部品が装着されていないものがある場合にのみ、取外すことができる。
- 7.4)
- アーム(ロアアーム、テンションロッド等)を加工せず接手部をピロボールに変更することができる。
- 第8条 タイヤおよびホイール
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- 8.1)タイヤ:
- 競技種目別に以下の通りとする。
- 8.1.1)ジムカーナ競技に参加する車両(舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 当該自動車製造者発行の量産車カタログの同一車両型式に記載されるタイヤサイズを基準とし、下記事項を条件に、サイズアップは幅を最大10mm、ホイール径を最大1インチまで、サイズダウンは数値による規制なく変更することが許される。
- @ タイヤは、JATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に記載されているもの、またはこれと同等なものとする。なお、海外規格(TRA、ETRTO等)タイヤに変更する場合、下記A、BおよびCに留意し、且つそれらを証明する資料を携行すること。
- A タイヤの最大負荷能力は、同一車両型式に定められているタイヤサイズの最大負荷能力と同等以上であること。
- B タイヤの静的負荷半径の基準寸法が、同一車両型式に定められているタイヤサイズの静的負荷半径の許容差の範囲であること。
- C タイヤは公道走行の許される一般市販タイヤとし、競技専用タイヤは使用しないこと。
- D タイヤおよびホイールは、いかなる場合も他の部分と接触しないこと。(ステアリングホイールを右または左に最大に操作した場合であっても、タイヤおよびホイールは、他の部分と接触しないこと)
- E タイヤおよびホイールは、フェンダーからはみ出さないこと。(第4-30図参照)
- F タイヤの溝は常に1.6mm以上あること。
- G タイヤは加工しないこと。
- H タイヤのウォームアップ、クールダウン、溶剤塗布等は行わないこと。
- I スパイクタイヤの使用は禁止する。
- 8.1.2)ダートトライアル競技に参加する車両(非舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 当該自動車製造者発行の量産車カタログの同一車両型式に記載されるタイヤサイズを基準とし、競技会開催場所(公認コース)内に限り下記事項を条件に、サイズアップは幅を最大10mm、ホイール径を最大1インチまで、サイズダウンは数値による規制なく変更することが許される。
- @ タイヤの最大負荷能力は、同一車両型式に定められているタイヤサイズの最大負荷能力と同等以上であること。
- A タイヤは公道走行の許される一般市販タイヤとし、競技専用タイヤは使用しないこと。
- B タイヤおよびホイールは、いかなる場合も他の部分と接触しないこと。(ステアリングホイールを右または左に最大に操作した場合であっても、タイヤおよびホイールは、他の部分と接触しないこと)
- C タイヤおよびホイールは、フェンダーからはみ出ないこと。(第4−31図参照)
- D タイヤの溝は常に1.6mm以上あること。
- E タイヤは加工しないこと。
- F タイヤのウォームアップ、クールダウン、溶剤塗布等は行わないこと。
- G スパイクタイヤの使用は禁止する。
- 8.2)ホイール:競技種目別に以下の通りとする。
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- 8.2.1)ジムカーナ競技に参加する車両(舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 下記事項を条件にホイールを変更することができる。
- @ タイヤサイズに適用するホイールとしてJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に記載されているサイズ、またはこれと同等なもの。
- A 部分的であっても、全体的であっても複合素材から成るホイールは禁止される。
- B ホイールはスチール製、またはJWLマークのある軽合金製(アルミ合金製、マグネシウム合金製を含む)とする。ホイールナットの材質および形状の変更は許される。
- C ホイールスペーサーの使用は、許されない。
- ホイールに間隔保持のための部材を溶接すること、およびアクスルハブに間隔保持のための部材を取付けることは、許されない。
- D ホイールサイズ変更に伴うトレッド(前・後)の変更は許される。
- E 走行中はずれる恐れのあるホイールキャップ等は取外さなくてはならない。
- 8.2.2)ダートトライアル競技に参加する車両(非舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 競技会開催場所(公認コース)内に限り下記事項を条件にホイールを変更することができる。
- @ ホイールはスチール製、またはJWLマークのある軽合金製(アルミ合金製、マグネシウム合金製を含む)とする。ホイールナットの材質および形状の変更は許される。
- A ホイールスペーサーの使用は、許されない。
- ホイールに間隔保持のための部材を溶接すること、およびアクスルハブに間隔保持のための部材を取付けることは、許されない。
- B ホイールサイズ変更に伴うトレッド(前・後)の変更は許される。
- C 走行中はずれる恐れのあるホイールキャップ等は取外さなくてはならない。
- 第9条 車体
- 車体まわりおよび車室内に追加・変更等する蓋然性が高く、安全の確保および公害の防止上支障がない第4編付則に定める「アクセサリー等の自動車部品」の取付け、取外し、変更が許される。
- 9.1)自動車登録番号標(車両番号標)
- 前部の自動車登録番号標(車両番号標)を移設することができる。ただし、車両前面外部の見やすい位置に確実に取り付けること。
- 9.2)空力装置
- 第4編付則「アクセサリー等の自動車部品」に示された空気流を調整するためのフロント・リアスポイラー、サイドスカート(サイドステップ)およびリアスカートを新たに装着、交換することができる。ただし、いずれの場合でも下記事項に留意すること。
- また、一体構造型バンパーを除き、内部構造が剥き出しにならないことを条件にフロント・リアスポイラー、サイドスカート(サイドステップ)およびリアスカートの部品を取外すことができる。
- @ 最低地上高
- A 鋭い突起を有していないこと。
- B 振動、衝撃等により緩みを生じないこと。
- C 第4編付則に定める「エア・スポイラの構造基準(参考)」を満足すること。
- 9.2.1)ボンネットおよびトランク:
- 窓ガラスを備えているものを除き材質を変更することができる。ただし、下記事項に留意すること。
- @ 堅ろう(亀裂がない)で運行に十分耐えるものであること。
- A ヒンジ、継ぎ手およびキャッチ(ストライカー)は当該車両の当初の部品を用いるか、変更する場合当初の強度を保持すること。
- B 当初の外観形状および全体の強度を保持していること。
- C 空気の取入れ・取出し用エアスクープとの一体成形はフロント部のみ許される。
- 9.2.2)
- ボンネットを加工することができる。ただし、下記事項に留意すること。
- @ 直径250mmの円の範囲を超えて、穴または切欠き(数は自由)を設ける場合は、開口部周辺を補強すること。
- A ボンネット内部のヒートインシュレータ(遮熱板)およびインナーパッドの加工、装着、取外しは許される。
- 9.2.3)
- フードスクープ、ルーバー等を装着することができる。ただし、下記事項に留意すること。
- ・運転に必要な視野を有すること。
- ・先端が尖っていたり、鋭い部分がないこと。
- 9.2.4)
- フロント・リアボンネットまたはトランクリッドを変更した場合には、少なくとも2個のファスナーを可能な限り離れた位置に取付けること。
- 9.2.5)バンパー:
- フロント/リアスポイラー一体式のものを含み新たに装着、交換および加工することができる。ただし、先端が尖っていたり、鋭い部分がないこと。
- 9.2.6)ミラー:
- 変更することができる。ただし、下記事項に留意すること。
- @ 自動車の最外側から250mm以上、高さから300mm以上突出していないこと。
- A 取付け部付近の最外側より突き出している部分の最下部が1.8m以下ののものは衝撃を緩和できる構造であること(可倒式、回転式は適合)。
- B ミラーの面積は100cm2以上あること。
- 9.3)補強:
- 車体(排気系を含み)、ならびにサイドシル、各メンバー等の空洞部を補強することができる(第4−32図)。
- ただし、使用される材料が当初の形状に沿い、またそれと接触しており、補強によって標準部品の取付けに影響があってはならない(第4-33図)。
- 9.3.1)アッパータワーバー:
- 変更および加工することができる。ただしタワーバー取付け点は、フロント部では左右のサスペンションタワー2点の他車体への取付け点は2点までとし、リア部では左右のサスペンションタワー上部2点のみとする。また、新たに装着する場合、ボルトによって取付けることができる。なお、同一車両型式に当該部品が装着されていないものがある場合にのみ、取外すことができる。
- 9.3.2)ロアタワーバー:
- 変更および加工することができる。また、新たに装着する場合、左右のロアアーム取付け部を使用し、ボルトオンで取付けることができる。なお、同一車両型式に当該部品が装着されていないものがある場合にのみ、取外すことができる。
- 9.3.3)水/泥はねよけ:
- 水/泥はねよけ[マッドガード、センターフラップ]を装着し、柔軟な部位は最低地上高10cm以下に位置することができる。ただし、排気管等に干渉してはならず、車体外側表面部位は外側に向けて尖っていたり、鋭い部分がないこと。
- 9.3.4)アンダーガード:
- エンジン、ミッション、デフ、ブレーキ、燃料タンクおよび配管・配線のガードを取付けることができる。
- 9.4)車体内部:
- 車室内に追加・変更等をする蓋然性が高く、安全の確保および公害の防止上支障がない第4編付則に定める「アクセサリー等の自動車部品」の取付け、取外し、変更は許される。
- 9.4.1)内装:
- 車室内の見える範囲のすべての部位は削除することができない。ただし、下記に記載されたものを除く。
- @フロアマット類およびアンダーコート
- Aネジ等のカバー類
- B元の座席位置に隔壁(9.4.5)を設置することにより運転席と空気の流入が遮断された車室外となる内装。
- Cロールバーのピラー等シャシーへの直付け(溶接)およびステー装着、またはタワーバー設置に伴う最小限の内装切除。
- 9.4.2)ステアリングホイール:
- 外径(最大径)350mm以上のもので、下記の条件を満たしたものと交換することができる。
- @スポーク部とボス部は堅固な取付け構造とし、衝撃を受けた場合に容易に脱落する恐れのないこと。
- A計器板の視認性を阻害しない形状をしていること。
- B光の反射による運転の妨げとなるような部分がないこと。
- Cステアリングホイールの変更により、かじ取装置の衝撃吸収装置に影響を与えるものでないこと。
- 9.4.3)ペダルカバーおよびヒールプレート:
- 装着することができる。ただし、確実に取付けること。
- 9.4.4)座席:
- FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項の基準に従ったもの、または日本工業規格(JIS D4606、JISD4609、JIS D4610、JIS D1201)に則って製造されたものの使用を推奨する。
- また、変更する場合は下記の規定を満たすこと。
- @座席の幅×奥行は400mm×400mm以上確保すること。
- A座席面上で座席前端より200mmの点から背もたれに平行な天井までの距離は800mm以上確保すること。
- B座席および当該座席の取付け装置は衝突時等に乗員から受ける衝撃力、慣性力等の荷重に耐えるものでなければならない。
- C座席の後面部分(ヘッドレストを含む)は、衝突等で当該座席の後部乗員の頭部等が当たった場合に衝撃を吸収することができる構造でなければならない。
- D追突等の衝撃を受けた場合に乗員の頭部が過度に後傾するのを抑止することができる装置(ヘッドレスト)を備えるかまたは座席自体が同等の効果を有する構造でなければならない。
- E2名乗車車両のシートの車体フレームへの直付け(スライド機構無)は許される。
- なお、変更する座席および座席取り付け装置は、上記のほかにFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条を満たしたものであることが望ましい。
- 9.4.5)隔壁:
- 第1条1.2)安全ベルトおよび1.4)ロールバーによる乗車定員変更に伴い後部座席を除去した場合、難燃性の隔壁板を溶接、リベットおよびビスにより取り付けることができる。ただし、隔壁板は後方視界に支障がでない範囲に設置され、ロールバーやタワーバーと連結されてはならない。
- 9.4.6)障害者用操作装置:
- 障害者用操作装置を装着することができる。ただし、健常者は使用しないこと。
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