▼おことわり
このページに記載されている「JAF国内競技車両規則」は、きくりんが独自に抜粋・転載したものであり、JAFによる公式なもので
はありません。誤字・脱字、あるいは記載ミスがある可能性があります。また、それらによって被ったいかなる損害・不利益についても、一切の責任を負いかね
ます。
第4章 N車両規定
- 本規定は、2006年1月1日から2007年12月31日まで有効である。ただし、小変更を行うことがある。
- 第1条 安全規定
-
- 1.1)配管類
-
- 1.1.1)配管類の保護
- 燃料およびオイルとブレーキ配管は、外部からの損傷を受けぬよう(飛石、腐食、機械的損傷等)、すべてを考慮して保護策をとらねばならない。また、室内には絶対に火災を発生させない配慮を必要とする。
- 当初の保護物をそのまま維持するのであれば追加の防護は不要であるが、防音材および防振材等を取り除くことにより配管や配線類が露出する場合には適切なる保護策を講じなければならない。
- 1.1.2)仕様および取付け
- 取付けは下記の仕様に合致していなければならない。
- 1.1.2.1)液体用配管
- 液体用配管を車室内に通すことは許される。しかし、クールスーツ用等の冷却水パイプ、ブレーキ用配管を除き、これらのパイプを車室内で連結してはならな
い。
- 隔壁においては、第3−1図および第3−2図にしたがって配管してもよい。
- 1.1.2.2)燃料および潤滑油用配管
- 最低破裂圧力7MPa(70bar/1000psi)と、最低作動温度135℃(250°F)を有していることを推奨する。
- 柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクターとし、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しないもの)外部鋼材を有していることを推奨する。
- 1.1.2.3)油圧液用配管
- 重力下の配管を除き、最低破裂圧力7MPa(70bar/1000psi)またはそれ以上の圧力と、最低作動温度232℃(450°F)を有していることを推奨する。
- 柔軟なものである場合、これらの配管はネジ山のついたコネクターまたは自動的に密閉されるコネクターと、摩擦と炎に耐え得る(燃焼しないもの)外部鋼材
を有していることを推奨する。
- すべての配管、配線は暫定的なものであってはならず、グロメット、コネクター、およびクランプ等を含め十分安全性の高いものにしなければならない。
- 1.2) 安全ベルト
- すべての車両にFIA公認安全ベルトの使用を強く推奨する。
- 4点式安全ベルト等(フック式、固定式)を追加装備する場合、安全ベルトはワンタッチ式フルハーネスタイプとし、日本、EEC、米国いずれかの安全ベルトに関する規則、法規に適合し、かつ第4編付則「ラリー競技おようびスピード行事競技における安全ベルトに関する指導要項」および下記条件に従うこと。なお、安全ベルトの「Y」タイプは4点式とみなす。
- 1)
既設の安全ベルト(3点式等)を変更することなく、4点式安全ベルト等に取付けられているフックを用い容易に既設の安全ベルト取付け装置に着脱できる構造の4点式安全ベルト等を追加装備すること。
- 2)
4点式安全ベルト等は競技走行中のみ装着することが許される。したがって、それ以外の通常走行時は既設の安全ベルト(3点式等)を装着すること。
- 3)
安全ベルト装着による乗車定員変更は許されない。
- 1.3) 消火器
- すべての車両に消火器の装着が推奨される。
- 1.3.1)手動消火装置
- 手動消火装置とは消火装置単体をドライバー等が取外して消火を行なうための消火装置をいう。
- 1)取付け
- 各々の消火容器の取付けは、クラッシュ時の減速度がいかなる方向に加えられても耐えられるように取付けなければならず、取付け方向は車体軸線に対し直角に
近い状態であること。(リベット止めは禁止される)
- 金属性ストラップの付いたラピッドリリースメタル(ワンタッチ金具)の装着のみ認められる。
- 2)取付け場所
- 消火装置はドライバー等が容易に取外せる位置に取付けられなければならない。
- 3)検査
- 消火装置の型式、その容量および総重量を容器の上に明示しなければならない。粉末消火装置の場合、詰め替え年月日を明示し、詰め替え後の有効帰還は3年間
とする。外部が損傷している容器は交換しなければならない。
- 4)仕様
- 1つあるいは2つの同一消火剤容器とする。粉末1.5kg以上、またはFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。
- 1.3.2)自動消火装置
- 自動消火装置とは、車両に固定された消火装置が、車室内とエンジンルームに対し起動装置によって同時に作動するものをいう。
- 1)取付け
- 各々の消火装置の容器は、いかなる方向にクラッシュ時の減速度が加わってもそれに耐えられるように取付けられなければならない。
- 2)操作 − 起動
- 2つの系統は同時に起動しなければならない。
- いかなる起動装置も認められる。しかしながら、起動系統が機械式だけでない場合、主要エネルギー源から出ないエネルギー源を備えなければならない。
- 運転席に正常に着座し、安全ベルトを着用したドライバーが起動装置を操作できなければならない。
- 車両の外部のいかなる者も同時に操作できること。外部からの起動装置はサーキットブレーカーに接して、あるいは、それと組み合わせて位置しなければならな
い。また、赤色で縁取られた直径が最小10cmの白色の円形内に赤色でEの文字を描いたマークによって表示されなければならない。
- ヒートセンサーによる自動起動装置が推奨される。
- 装置はいかなる車両姿勢にあっても、喩え車両が転倒した場合でも作動しなければならない。
- 3)検査
- 消火器の型式、その容量および総重量を容器の上に明示しなければならない。
- 4)仕様
- FIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条に記された消火剤および内容量を装備すること。
- 消火装置は耐火性でなければならず、また、衝撃に対して防護されていなければならない。消化剤の噴出ノズルは、ドライバーに直接消火剤がかかることのない
ように取付けなければならない。(凍傷の危険)
- 5)放射時間
- 車室内 :最短30秒/最長80秒
- エンジン:最短10秒/最長40秒
- 両方の消火器が同時に作動しなければならない。
- 1.4) ロールバー
- すべての車両に4点式以上のロールバーを装着することを推奨する。なお、オープンカーでジムカーナ競技に参加する場合は4点式以上、ダートトライアル競技に参加する場合は6点式以上のスチール材のロールバーを取付けること。ロールバーを装着する場合、材質はスチールとし下記の規定に従うこと。
- 1) ロールバーを取付けた状態における乗車装置は、座席面上で座席前端より200mmの点から背もたれに平行な天井(ロールバーが頭部付近にある場合はロールバー)までの距離が800mm以上であること。
- 2) 乗員の頭部等を保護するため、頭部等に接触する恐れのあるロールバーの部位は、緩衝材で覆われていること。
- 3) 乗員が接触する恐れのあるロールバーは、半径3.2mm未満の角部を有さないものであること。
- 4) ロールバーを取付けることにより、前方視界およびバックミラーによる視界を妨げるものでないこと。
- 5) ロールバーを取付けることにより乗員の乗降を妨げるものでないこと。なお、ロールバーの取付けにより後部乗員のための車内高の確保および乗降口等の確保が出来ない場合には、各運輸支局等において乗車定員変更のための構造等変更検査の手続を行うこと。
- 6) ロールバーの車体への最小取付け点数:
- (1) メインロールバーの支柱1本につき1ヶ所。
- (2) サイドロールバー(あるいはフロントロールバー)の支柱1本につき1ヶ所。
- (3) リヤストラットの支柱1本につき1ヶ所。
- @ 各支柱側の車体への取付け板は、面積60cm2、板厚2.5mm以上を有すること。この取付け板は支柱に溶接されていなくてはならない。
- A 車体側の補強板は、面積120cm2、板厚3.0mm以上を有し、第3−3図(この場合、溶接は不要)、第3−4図〜第3−17図(この場合、全周を溶接すること)に示すように取付けること。
- B 各支柱と車体との結合には、上記6)の取付板および補強板を用い、下記7)に従いボルトオンにて取付けること。その際の取付方法については次の通りとする。
- ・ 直径8mm以上(4T以上)のボルトを3本以上使用し、緩み止め効果のあるナット(ワッシャ/セルフロッキング等)で、支柱の周辺に分散して取付ける。
- ・ メインロールバーの車体への取付板をL型にして既設の3点式安全ベルト最下端部のボルトを用いることにより、とも締めすることは可能であり、その場合該当ボルトは最小取付本数含まれる。
- C 車体と支柱側取付板とを溶接にて取付けることはみとめられない(ボルトと溶接の併用による取付も不可)。
- D ロールバーの基本構成は、2通りとする。(第3−18図および第3−19図)
- 7) ロールバーの基本取付部の車体への取付けは、連結部を含めボルトオンのみとする(P・N車両)。
- (1) メインロールバーはセンターピラーにボルトオンで取付けることが出来る。
- (2)
ピラーの既存の取付部(シートベルト等)等を利用したボルトによる取付のみが認められる(車体側の加工はできない)。
- (3)
ロールバーにステーを溶接することは認められる。
- 8)
ロールバーの寸法:
- ロールバーは最小寸法38mm(直径)×2.5mm(肉厚)または40mm(直径)×2mm(肉厚)以上の継ぎ目のない1本のパイプを使用すること。ロールバーの直径と肉厚は、補助バーを含め規定の寸法が適用される。
- 9) 寸法
測定のためのメインロールケージの曲げ部分、または溶接部分から100mm以上離れた箇所に直径4mmの穴を1ヶ所あけ、その位置を黄ペイントで明示することが許される。
- 本項に示す寸法測定用の設置は、任意とする。
- 10) ロールバー取付けのためにダッシュボード貫通等最小限の改造が許される。
- 11) 斜行ストラット(第3−20図、第3−21図、第3−22図、第3−23図タイプ)を取付ける場合は形状を一つの補強要素として、基本ロールケージに取り付けることが認められる。ただし、ロールケージとの連結部は規定の通りボルトオンで取り付けること。
- 12) 「×」形状の部材(ドアバーを含む)については、「×」形状を一つの構成要素として基本ロールケージに取り付けることが認められる。 (第3−22
図、第3−23図、第3−24図タイプ)
- 「×」形状の連結部をガゼット(guset:補強用鉄板等)により補強することが認められる。
- 13) 取外し可能な連結金具:
取り外し可能な部材がロールケージの構造として用いられている場合には、使用される取り外し可能な連結具はFIAにより承認された方式、あるいはそれに相当する方式に従っていなくてはならない(第3-25図〜第3-35図参照)。それらは溶接されていなくてはならない。ネジおよびボルトは、ISO規格の8.8または、4T以上のものでなくてはならない。
- 1.5) サーキットブレーカー
- サーキットブレーカーを装着する場合は下記規定に従うこと。
- イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチは、その位置が確認できるよう黄色で明示しなければならない。イグニッションスイッチおよび燃料ポンプスイッチを変更する場合、ONの位置が上、OFFの位置が下になければならない。
- また、運転席および車外から操作できるすべての回路を遮断する各々独立した放電防止型のサーキットブレーカー(主電源回路開閉装置)を装備しなければならない。これらはすべての電気回路を遮断できるものであり、エンジンを停止することができるものであること。その場所は外部から容易に確認できる位置とし、赤色のスパークを底辺が最小12cmの青色の三角形で囲んだ記号で表示すること。引くことにより機能する車外操作部を持つサーキットブレーカーを運転席の反対側のフロントウィンドシールド支持枠の下方付近に設置すること。ただし、車両の構造上フロントウインドシールド支持枠の下方付近に設置することが不可能な場合、運転席の反対側のセンターピラーあるいはクォーターピラーの外部から操作可能な位置に装着することが許される。
- 1.6) けん引用穴あきブラケット
- すべての車両は、前後にけん引用穴あきブラケットを備えなければならない。このけん引用穴あきブラケットは、車両をけん引して移動するのに取付け部分も含め十分な強度を有していなければならない。車両が砂地に停車したときでも使用が可能な位置に取付けられていなければならない。
- 新たにけん引用穴あきブラケットを装着する場合は下記の要件を満たすこと。
- @ 材質は、スチール製でなければならない。
- A 最小内径:50mm
- B 内径の角部はRを付けて滑らかにすること。
- C 板製の場合、最小断面積(取付け部分も含む):1cm2
- D 丸棒の場合、最小直径10φ以上。
- E 黄色、オレンジ色、あるいは赤色に塗装されていること。
- 第2条 一般改造規定
- 第1章一般規定、本章の安全規定および本章の一般改造規定で課せられている以外、全ての改造は禁止される。車両の構成要素は当初の機能を保持しなければならない。本規定によって許可されていない全ての改造は、明確に禁止される。
改造の範囲や許可される取付けは下記(第3条〜第9条)に規定される。
- 第3条 エンジン
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- 3.1)エンジンおよび補機:
- エンジンルーム内に機械部品を隠すことを目的としたプラスチック製エンジンシールドは、美観を保つこと以外に機能を有さないものであれば、取外しても良い。
- 3.1.1)フライホイール:
- クラッチを変更する場合に限り、他のものに変更および交換することができる。
- 3.1.2)エンジンマウント:
- エンジンおよびギアボックスの取付けマウントのラバー部材は同一材質で形状・硬度を変更することは自由。<
- 3.1.3)アクセルケーブル:
- アクセルケーブル(付属するリンク類を含み)の交換またはそれを二重にすることも認められる。また、フライバイワイヤー方式(電気信号により操作するもの)を機械式に変更することも許される。
- 3.1.4)バッテリー:
- 形状、容量、端子は自由。バッテリーの電圧および搭載位置を変更してはならない。 バッテリーケーブルを室内配線に変更することは許されるが、配線の追加、削除およびアースポイントの追加は認められない。
- 3.1.5)オルターネータ:
- 発電容量の大きいものへの変更は認められる。
- 3.2)点火装置
-
- 3.1.2)
- スパークプラグ、ハイテンションコードの銘柄、型式は自由。
- 3.3)吸気装置
-
- 3.3.1)フィルター:
- フィルターカートリッジの変更は、当初のものと同一の方式であれば認められる。
- 3.4)冷却装置
-
- 3.4.1)
- サーモスタットおよび冷却ファンの作動開始時の温度は制御方式を含み自由。
- 3.4.2)
- ラジエターキャップの変更が許される。
- 第4条 シャシー
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- 4.1)最低地上高:
- 9cm(アンダーガードを含む)とする。また、車両の一つの側面の全てのタイヤの空気が抜けた状態であっても、車両のいかなる部分も地表に接してはならない。このテストは出走状態で(ドライバーが乗車し)平坦な面上で行われる。
- 4.2)最低重量:
- 当該自動車製造者発行のカタログ等に記載された主要諸元一覧表の車両重量。ただし、ラリー競技およびダートトライアル競技に参加する車両は、当該自動車製造者発行のカタログ等に記載された主要諸元一覧表の車両重量(同一車両型式)に50kg増量された値とする。
- バラストは搭載することができない。
- 4.3)ラバーマウントおよびブッシュ:
- ラバーブッシュは材質の変更がないことを条件に硬度の変更が許される。ただし、マフラーマウント(取付具)を除き、取付軸は変更しないこと。
- 4.4)クラッチ:
- ディスク、カバー、スプリング、カラー、メインドライブシャフトフロントカバー、クラッチレリーズシリンダーおよびベアリングの材質を含み変更することができる。ただし、機械式クラッチを電磁クラッチに、電磁クラッチを機械式クラッチに変更しないこと。
- 第5条 駆動装置
-
- 5.1)シフトレバー:
- シフトノブの変更は許される。
- 5.2)デファレンシャル:
- フロント・センター・リヤデファレンシャルは、数を変更しなければボルトオンで取付けられるリミテッドスリップデフ(ビスカスカップリングを含む)を取付けることができる。ただし、元のケースを使用すること。また、これに関連するドライブシャフトは、同一車両型式内に使用されているものであれば変更することができる。
- 5.3)最終減速比:
- ギア比の変更は、ボルトオンを条件に許される。
- 第6条 制動装置
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- 5.1)ブレーキパッド:
- ブレーキシュー、ライニングパッドの材質変更を含み交換、変更は許される。但し、カーボン材は使用できない。
- 5.2)バックプレート:
- 保護用プレートは取外したり曲げても良い。
- 5.3)プロポーショニングバルブ:
- 装着することができる。ただし、前後制動配分アジャスター装置は装着しないこと。
- 5.4)その他:
- ブレーキディスクやホイールに集積した泥をかき出す装置を追加しても良い。ブレーキキャリパー内のピストンの背後にノックバック防止を目的としたスプリングの追加が許される。
- 第7条 サスペンション
- 材料の追加によるサスペンションおよびその取付け部の補強を認める。サスペンションの補強部が、中空体を作ることになってはならない。部分的であっても、全体的であっても複合素材(カーボンコンポジット)から成るサスペンション部材は禁止される。
- 7.1)スプリング:
- 数は、スプリングを連続して取付けることを条件として自由。長さ、コイルの巻数、ワイヤーの直径、外径、スプリングの種類も自由。
- ただし、下記に従うこと。
- スプリングの形状は、調整できる構造部分がサスペンションシートの一部、当初のサスペンション部分または車体部分から分離している(取外せる)場合、スプリングシートは調整できるものであっても良い。
- @ バネに損傷があり、左右のバネのたわみに著しい不同がないこと。
- A 溶接、肉盛または加熱加工を行わないこと。
- B バネの端部がブラケットから離脱しない(遊びがない)こと。
- C 切断等によりバネの一部または全部を除去しないこと。
- D バネの機能を損なうおそれのある締付具有さないこと。
- E バネの取付け方法はその機能を損なうおそれのないこと。
- 7.2)ショックアブソーバー:
- 材質を含み自由。但し、カーボン材は使用できない。車高調整機構(ネジ式、Cリング等)を伴うものに変更(使用)すること、別タンク式(別タンクの車体への取付けは許されない)のものに変更(使用)することができる。ただし、それらの数、形式、作動原理は変更してはならない。
- 遠隔操作による減衰力調整機構への変更は許されない。
- 7.3)スタビライザー:
- ブッシュ・ブラケット(リングを含む)を含み変更することができるが、取付けはボルトオンによるものとし、車室内から調整可能であってはならない。新規取付および取外することは許されない。
- 第8条 タイヤおよびホイール
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- 8.1)タイヤ:
- 競技種目別に以下の通りとする。
- 8.1.1)
- ジムカーナ競技に参加する車両(舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 当該自動車製造者発行の量産車カタログの同一車両型式に記載されるタイヤサイズを基準とし、下記事項を条件に、サイズアップは幅を最大10mm、ホイール径を最大1インチまで、サイズダウンは数値による規制なく変更することが許される。
- @ タイヤは、JATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に記載されているもの、またはこれと同等なものとする。なお、海外規格(TRA、ETRTO等)タイヤに変更する場合、下記A、BおよびCに留意し、且つそれらを証明する資料を携行すること。
- A タイヤの最大負荷能力は、同一車両型式に定められているタイヤサイズの最大負荷能力と同等以上であること。
- B タイヤの静的負荷半径の基準寸法が、同一車両型式に定められているタイヤサイズの静的負荷半径の許容差の範囲であること。
- C タイヤは公道走行の許される一般市販タイヤとし、競技専用タイヤは使用しないこと。
- D タイヤおよびホイールは、いかなる場合も他の部分と接触しないこと。(ステアリングホイールを右または左に最大に操作した場合であっても、タイヤおよびホイールは、他の部分と接触しないこと)
- E タイヤおよびホイールは、フェンダーからはみ出さないこと。(第3−36図参照)
- F タイヤの溝は常に1.6mm以上あること。
- G タイヤは加工しないこと。
- H タイヤのウォームアップ、クールダウン、溶剤塗布等は行わないこと。
- I スパイクタイヤの使用は禁止する。
- 8.1.2)
- ダートトライアル競技に参加する車両(非舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 当該自動車製造者発行の量産車カタログの同一車両型式に記載されるタイヤサイズを基準とし、競技会開催場所(公認コース)内に限り下記事項を条件に、サイズアップは幅を最大10mm、ホイール径を最大1インチまで、サイズダウンは数値による規制なく変更することが許される。
- @ タイヤの最大負荷能力は、同一車両型式に定められているタイヤサイズの最大負荷能力と同等以上であること。
- A タイヤは公道走行の許される一般市販タイヤとし、競技専用タイヤは使用しないこと。
- B タイヤおよびホイールは、いかなる場合も他の部分と接触しないこと。(ステアリングホイールを右または左に最大に操作した場合であっても、タイヤおよびホイールは、他の部分と接触しないこと)
- C タイヤおよびホイールは、フェンダーからはみ出さないこと。(第3−37図参照)
- D タイヤの溝は常に1.6mm以上あること。
- E タイヤは加工しないこと。
- F タイヤのウォームアップ、クールダウン、溶剤塗布等は行わないこと。
- G スパイクタイヤの使用は禁止する。
- 8.2)ホイール:
- 競技種目別に以下の通りとする。
- 8.2.1)
- ジムカーナ競技に参加する車両(舗装路面で行うその他の種目を含む)
下記事項を条件にホイールを変更することができる。
- @ タイヤサイズに適用するホイールとしてJATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)に記載されているサイズ、またはこれと同等なもの。
- A 部分的であっても、全体的であっても複合素材から成るホイールは禁止される。
- B ホイールはスチール製、またはJWLマークのある軽合金製(アルミ合金製、マグネシウム合金製を含む)とする。ホイールナットの材質および形状の変更は許される。
- C ホイールスペーサーの使用は、許されない。
- ホイールに間隔保持のための部材を溶接すること、およびアクスルハブに間隔保持のための部材を取付けることは、許されない。
- D ホイールサイズ変更に伴うトレッド(前・後)の変更は許される。
- E 走行中はずれる恐れのあるホイールキャップ等は取外さなくてはならない。
- 8.2.2)
- ダートトライアル競技に参加する車両(非舗装路面で行うその他の種目を含む)
- 競技会開催場所(公認コース)内に限り下記事項を条件にホイールを変更することができる。
- @ ホイールはスチール製、またはJWLマークのある軽合金製(アルミ合金製、マグネシウム合金製を含む)とする。ホイールナットの材質および形状の変更は許される。
- A ホイールスペーサーの使用は、許されない。
- ホイールに間隔保持のための部材を溶接すること、およびアクスルハブに間隔保持のための部材を取付けることは、許されない。
- B ホイールサイズ変更に伴うトレッド(前・後)の変更は許される。
- C 走行中はずれる恐れのあるホイールキャップ等は取外さなくてはならない。
- 第9条 車体
- 車体まわりおよび車室内に追加・変更等する蓋然性が高く、安全の確保および公害の防止上支障がない第5編付則に定める「アクセサリー等の自動車部品」の取付け、取外し、変更が許される。
- 9.1)車体外部
-
- 9.1.1)ヘッドライトカバー:
- 保護用のヘッドライトカバーを取付けることは許される。ただし、それらの機能は、ヘッドライトガラスの保護のみであり、車両の空力学的特性に影響を及ぼすものであってはならない。
- 9.1.2)空力装置
- 第4編付則「アクセサリー等の自動車部品」に示された空気流を調整するための前後スポイラーを新たに装着・交換することができる。ただし、いずれの場合でも下記事項に留意すること。
- @ 堅ろう(亀裂がない)で運行に十分耐えるものであること。
- A 装着部位の車幅を越えてはならず、当該車両の車体最高部位を越えないこと。
- B 新たに装着、交換する前のオーバーハングを越えてはならない。
- C 鋭い突起を有しないこと。
- D 振動、衝撃等により緩みを生じないこと。
- E 第4編付則に定める「エア・スポイラの構造基準」を参照すること。
- また、内部構造が剥き出しにならないことを条件にフロント、リアスポイラー、サイドスカート(フロントフェンダーアーチ後端からリアフェンダー前端までのサイドステップ部分)をよびリアスカートの部位を取外すことができる。
- 9.1.3)フロントスポイラー:
- 装着・変更が許される。ただし、一体型を含みバンパーの変更は許されない。
- 9.1.4)リアスポイラー:
- 装着・変更が許される。ただし、トランクおよびリアゲートとの一体型は許されない。
- 9.1.5)サイドスカート:
- 装着・変更が許される。(フロントフェンダーアーチ後端からリアフェンダー前端までのサイドステップ部分)
- 9.1.6)マッドフラップ
- マッドフラップは以下の条件の下で装着することができる。
- -柔軟な材質で作られていなくてはならない。
- -排気管等に干渉してはならず、車体外側表面部位は外側に向けて尖っていたり、鋭い部分がないこと。
- -それらは各ホイールの少なくとも全幅を覆っていなくてはならないが、前輪、後輪の後方ではマッドフラップに覆われていない部分が車両の幅1/3以上ある
こと。(第3−38図を参照)。
- -リアホイールの前方のマッドフラップの左右の間には、少なくとも20cmの隙間がなくてはならない。
- -これらのマッドフラップの底部は、車両に誰も乗車せず、停止した状態で、地表から10cm以上のところにあってはならない。
- -垂直投影面にあって、これらのマッドフラップは車体から突出していてはならない。
- 前方へのはねを防ぐためのマッドフラップは、柔軟な材質で作られ、競技の特別規則書がそれらを認めるか、要請する時に車両の前部へ取付けることができる。
それらは、車両の全幅より突出していてはならず、また当初の全長より10cm以上長いものであってはならない。また、フロントホイールの前方ではマッドフラップに覆われていない部分が車両の幅の少なくとも1/3以上なければならない。
- 9.1.7)アンダーガード
- 車体下部を保護することを目的とした空力効果を生じない取り外し可能な保護体を取付けることが許される。
- 9.2)車体内部
-
- 9.2.1)コックピット:
- 次の付属品のみ取付けが許される。スペアタイヤコンプリートホイール、工具、安全装置、通信装置。
- コックピット内に位置するヘルメットと工具の収納容器は、非可燃性の材質で作られていなければならない。それは火災の場合に有毒ガスを発生してはならない。
- 9.2.2)換気装置:
- オリジナルの換気装置(デフロスター、ヒーター)を保持しなければならない。
- 9.2.3)内装:
- 車室内の見える範囲のすべての部位は削除することができない。ただし、下記に記載されたものを除く。
- @ フロアマット類およびアンダーコート
- A ネジ等のカバー類
- B 元の座席位置に隔壁(9.2.10)を設置することにより運転席と空気の流入が遮断された車室外となる内装。
- C ロールバーの装着、またはタワーバー装着に伴う最小限の内装切除。
- D 2ボックス車の着脱式リアシェルフは取外しても良い。
- 9.2.4)ステアリングホイール:
- 外径(最大径)350mm以上のもので、下記の条件を満たしたものと交換することができる。
- @ スポーク部とボス部は堅固な取付け構造とし、衝撃を受けた場合に容易に脱落する恐れのないこと。
- A 計器板の視認性を阻害しない形状をしていること。
- B 光の反射による運転の妨げとなるような部分がないこと。
- C ステアリングホイールの変更により、かじ取装置の衝撃吸収装置に影響を与えるものでないこと。
- D クイックリリースタイプでないこと。
- 9.2.5)フットレスト・ペダルカバーおよびヒールプレート等:
- 装着することができる。ただし、確実に取付けること。
- 9.2.6)追加アクセサリー:
- 車両の美観または居住性に関する付属品(照明、暖房、ラジオ等)といった、車両の動きにいかなる影響も及ぼさないものは全て、制限なく認められる。ただし、これらの付属品が、例え間接的であっても、エンジン、ステアリング、強度、トランスミッション、ブレーキ、ロードホールディングの効率に影響を及ぼすことがないという条件の下に限る。
- グローブボックスに追加区画を設けたり、ドアにポケットを追加することができる。ただし、オリジナルのパネルを使用すること。
- 9.2.7)一般消耗品:
- 次の消耗品は、変更(同等品)が許される。
- オイルフィルター、ワイパーブレード、バッテリー、バルブ等。
- 9.2.8)障害者用操作装置:
- 障害者用操作装置を装着することができる。ただし、健常者は使用しないこと。
- 9.2.9)座席:
- 変更する場合は下記の規定を満たすこと。変更の有無に拘わらず乗車定員分の座席を有すること。
- @ 座席の幅×奥行は400mm×400mm以上確保すること。
- A 座席面上で座席前端より200mmの点から背もたれに平行な天井までの距離は800mm以上確保すること。
- B 座席および当該座席の取付け装置は衝突時等に乗員から受ける衝撃力、慣性力等の荷重に耐えるものでなければならない。
- C 座席の後面部分(ヘッドレストを含む)は、衝突等で当該座席の後部乗員の頭部等が当たった場合に衝撃を吸収することができる構造でなければならない。
- D 追突等の衝撃を受けた場合に乗員の頭部が過度に後傾するのを抑止することができる装置(ヘッドレスト)を備えるかまたは座席自体が同等の効果を有する構造でなければならない。
- E 2名乗車車両のシートの車体フレームへの直付け(スライド機構無)は許される。
- なお、変更する座席および座席取り付け装置は、上記のほかにFIA国際モータースポーツ競技規則付則J項第253条を満たしたものであることが望ましい。
- 9.2.10)隔壁:
- ロールバーの装着による乗車定員変更に伴い後部座席を除去した場合、難燃性の隔壁板を溶接、リベットおよびビスにより取り付けることができる。ただし、隔壁板は後方視界に支障がでない範囲に設置され、ロールバーやタワーバーと連結されてはならない。
- 9.3)補強
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- 9.3.1)
- 車体(排気系を含み)、ならびにサイドシル、各メンバー等の空洞部を補強することができる。ただし、使用される材料が当初の形状に沿い、またそれと接触しており、補強によって標準部品の取付けに影響があってはならない。(図)
- 懸架部分(バネ上)の補強は、使用される材質が当初の形状に沿い、それに接触しているならば許される。
- 9.3.2)タワーバー:
- メーカーラインオフ時に当初から装着されているタワーバーについては、取付点を変更しなければ他のものに変更することができる。また、サスペンションのアッパーマウント取付けボルトのみを使用して取付けられているものであれば、サスペンション形式を問わず取付けおよび変更は許される。マスターシリンダーストッパーの装着が許される。ただし、その取付けに辺り内張りを改造する場合は最小限にとどめること。
- 9.3.3)ジャッキ:
- ジャッキアップポイントの補強、移動、追加は認められるがあくまでもその改造はジャッキアップポイントとしての目的に限られる。
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