全日本ジムカーナ選手権、第一戦に、大塚もあちゃんのサポートで行ってきました。 前日の公開練習から2日間です。
今回のコースは、ご存知ツインリンクもてぎの、なんと「スーパースピードウェイ(SSW)」。 僕らが去年ミドル戦で走り、「実験」を行った(笑)ところです。 ただし今回は、反時計回り(これが正回りです)にまるまる1周使っています。その分平均スピードが高いのが、全日本です。
【前日編】
●これってジムカーナ?
土曜日の5時過ぎにEVAを積んだいつものトラックがきくりん邸にやってきて、僕はもてぎに拉致られました。道中は順調で、7時過ぎにはもてぎ着。 とはいえこの日は12時からの走行ですから、やることなんぞほとんどありません。いつも通りにパドック設営をしたら、あとはのんびり(^^ゞ さすがに手順も慣れて来たので、とっとと終わり、EVAを磨いてました。
慣熟歩行に一周歩いて来ましたが、あのバンクを上り下りで一周歩くとさすがにバテます。 まぁ昨年のミドルの時は真夏でしたから、それに比べれば風も心地よく歩きやすいのですが、辛いですね。 コースはシケイン状のパイロン配置はほとんどなく、3速4速で抜ける超高速スラロームが主体。第3ターン〜第4ターン(小さいオーバルの方)では、バンクの一番上から下に向けて駆け下り、その勢いのまま上に上り、4速でいい加減踏んだ後のターン・・・なんてのもあります。
コレってジムカーナ????
昨年感じた以上の疑問がイパーイ。
●EVA、天に召される!?
さて、走行が始まりましたが、なにせ進行が遅く、D車が走れたのは3時近く。明日は大丈夫ンなんでしょうか。 新兵器・ジェットヒーターのおかげでギンギンに暖められたスリックを、みあちゃんとの絶妙のコンビで装着し、送り出します。D車のトップバッターとして注目を集めましたが・・・・・
あれ(・・;)?
全然加速しません。 EVAの1速はけっこうかったるいところがありますが、そんなもんじゃありません。2速に入ってもまったく加速せず、明らかになんかおかしいです。 しかも最初の360度も旋回が途中で止まってしまう。 こんな状態でかなりトロトロと一周して戻って来ましたが、ゴール前のテクニカルセクションも全然回らず、ヴィッツと同じくらいのタイムでゴール。
帰って来ると開口一番「アクセル入れるとまったく前に出ない!!」。
さぁ大変。 何が原因なんだろう。 め化に弱い僕ですから、さしたることは出来ないのですが、クルマの動きを見る限り、どうもデフっぽいという予測を立てました。安田さんにそっこーで電話していろいろ状況を説明して指示を仰ぎますが、分かったことは「ここではどうしようもない」ということでした。
「どうしようか・・・・!」
●厳しい選択
考えてばかりじゃ仕方がありません。 出した結論は「僕とみあちゃんて木更津に持って帰る。もあちゃんはドラミに出てろ。」。 そう決まれば動かなくてはなりません。Dクラスの車検は、車検員が来てくれるという話でしたが、それを待ってられないので持ち込み車検の列に並びます。
しかし・・・この車検がまたトロい(^_^;)
140台もの車両がいるのに、一向に進みません。とうぜん長蛇の列です。 おまけにDクラスにはいろいろナンクセつけられまして、この結論が出るまでにそこからさらに2時間もの時が費やされ・・・、晴れて放免になった時には18時を回っていました。
こうなりますとまたまた一大事です。 ここから渋滞を縫って木更津まで行くのに、トラックの運転に慣れない僕では4時間以上かかると予測できます。明日の朝、渋滞なしで帰ってくるにも、順調に行って3時間かかります。合計7時間。 そこに、バラして原因究明して直して組んで・・・という作業を考えると、事実上戻ってこられる可能性が極めて薄い。 明日の朝、8時までに帰ってこられないと出走不可となり、こうなると自動的にDクラスは台数の関係で不成立になってしまうのです。
直したいけど義理も立てなきゃいかん。
難しい択一を迫られました。 僕はもあちゃんに「行ってくれ」と言われれば、夜通しででも往復するつもりでしたが、この事態はもあちゃんも理解していました。 もあちゃんの口から漏れたのは、
「(木更津行きは)やめましょう。明日、スタートだけは何とかしましょう。」
●切り替えが早いのもひとでなしの条件(笑)
苦渋ですよね。 走りたくないわけはないんですよ。ドライバーなんですから。 でも、義理を軽んじることは出来ません。 もあちゃんはひとでなしですが「漢(をとこ)」ですから、ちゃんとわきまえていました(ひとでなしは余計だって(^_^;)?)。
こうなりますと、もう開き直るしかありません。
もあみあチーム、方針変更ぉ〜〜〜〜。
作戦名:
『たらふく食うだけ食って、寝る!!』(ヒネリがない(^^ゞ)
あーそーさ、 ウェルカムパーティで食うだけ食ってやったさ(小食だけど)。 なにせ同じテーブルに、見栄春さんのみならず、キュウテンさんまでいたからね(^^ゞ そらもーメチャクチャさ。 乾杯なんてそっちのけで、スタンディングスタートの構えさ。 テーブルが小さくて、皿が乗り切れなくて難儀したさ。
でも・・・・
タッパー持ち込んだ大阪のオバハンには負けたけどな(T_T)
みあちゃんがビンゴでしっかり「ホットプレート」をゲットし、きくりんに贈呈されました。 もちろん「これでお好み焼きを食いに来られる♪」という条件つきで(笑)。 食うだけ食ってもらうもんもらえば用はねぇ(^^ゞ 部屋に帰って風呂入って22時前には意識を失ってました。
【本番編】
●安田さん登場
朝からハイテンションなきくりんが、「♪ベーストォ〜をつくーせぇ〜〜〜!」と「エースをねらえ!」を熱唱してあちゃんを起こしてあげると、もあちゃんは
「ベスト尽くせません・・・いいです・・・リタイヤします・・・」
とベッドの中でぐずっているので、しまいには膝ゲリ食らわして起こして差し上げました。 もあちゃん。すがすがしい目覚めをワタクシに感謝してもよくってよ?
さて、テックスポーツの安田さんは、もともと今日は観戦に来る予定だったンですが、トラブルの様子が見たかったようで、9時前にはいらっしゃいました。 さっそくいろいろ見てもらったのですが、初見ではデフの可能性が低いという結論に。僕としては動きを見るとそこら変が怪しいと睨んだのですが。 とりあえず応急処置として、かからないトラクションを少しでも稼ぐタメにショックの番手をいじることにしましたが、この時に新たな発見。 リアサスペンションのアーム類のピロが、特に右リアについてはガタガタ・・・といこと。
たしかにこの状態でもトラクションに影響があると言えばあるけど、果たしてそれだけか・・・という疑問を感じつつ、とりあえずばらして締め直してグリスアップ。 これでよくなることを期待して、1本目をきっちりチャレンジすることを決めました。
●よくまぁ・・・これで・・・
とりあえず新品タイヤは投入せず、昨日も使ったタイヤをギンギンに暖めて装着して送り出します。 今日はタイミングもバッチリ. なんとか一矢報いてくれもあちゃん!!
しかし・・・・・
ああ無情。 天はわれわれを見放した。
やはり状況は変わりませんでした。 それでももあちゃんは必死にアクセルコントロールをして、少しでもトラクションを確保しようと努力し、コースをトレースして帰ってきました。ヴィッツ並みのタイムではありますが、ちゃんと記録を残しました。 Dクラスも成立、自身もポイントは獲得。 義理は果たしました。
走行後、走りを見た安田さんは、「たぶんミッションの中。デフじゃないとは思う。」という結論を導き、ためしにピット内でちょこっとテスト(内緒よ♪)。 で、出た結論。
「大塚くん、アンタ、よくコレで走って来たね(^_^;)。 オレなら絶対走らないね。」
●クルマの整備も勝負のうち
そんなわけで、2本目はリタイヤ届けを出し、パルクフェルメが終わるのをひたすら待つだけ。 なまじ1本目のタイムが残っているので、勝手に片付けて帰るわけには行きません。
再車検もまたまたこれがトロくて、待てど暮らせど終わらないのですが、車両保管解除になると同時にそっこーで片付け完了。 一刻も早くマシンを木更津に持って行きたかったので、申し訳ありませんが表彰式はパスさせていただきました。
途中のSAで晩ご飯食べて、きくりん邸着は20時半。
今回は、初めてのマシントラブルで戦線離脱・・・という結果となりました。 サービスとはいえ、実際には大したことなんぞ出来ない僕は、ホントに役たたずでした。 もあちゃんにはもうしわけない。
ドライバーとして出場している以上、当然なにが何でも走って勝負したかったでしょうから、道具がついてこない辛さは同じドライバーとしていたいほど分かります。 しかし、モータースポーツは複雑な道具を使う競技ですから、この道具の管理も含めての勝負になることは言うまでもありません。 悔しいけど、今回の結果も負けは負け。 ホントに悔しかったら、2度と同じことをやらかしてはいけない・・・。 そういう教訓にして行きましょう。
●見栄春さん、男を上げる!
今回、「敢闘賞」というのがあるとすれば、それは間違いなく「見栄春」こと鷹巣義幸選手に与えられるべきでしょう。
見栄春さんのクラス「S2」は、1600cc以上であれば、SAもSCも一緒。 実際、このクラスのトップ勢でまともなナンバーつきは見栄春さんしかいません。他は400馬力のFDだの、S15だの、一緒に走るのが本来はおかしいクルマばかりです。 ましてやこのSSW。 「パワーあってナンボ」であろうと、誰もが思っていました。
ところが!!
であります。
前日練習のみならず、 本番1本目まで、こうした倍以上の馬力を持つ車両をブッちぎって、さらに昨年のチャンピオンに秒差をつけてトップに立ったのです。
本番は、前日練習よりもパワーを生かせるレイアウトにパイロン配置が変わったので、見栄春さんは勝負に出ざるを得ず、結果1本目は大きなテールスライドを誘発しちょっと失速、2本目は勝負に出てタイムを落とす、という結果になりましたが、そのパワー差を考えたら通常ではちょっと考えられない驚愕の活躍です。
走りを見ていた人の多くは「ターンが凄かった」と言っていましたが、見栄春さんが速かったのはターンではありません。 一番パワーの見せ所だろうと思われていたバックストレートの3速4速スラロームセクションです。
もう、あり得ないくらいのギリギリの部分でクルマをコントロールし、インテの持ち味であるコーナリングスピードを最大限に保って駆け抜けた超高速スラローム。この速さが差になっていました。 これは体に叩き込まれたコントロール技術の賜物であり、それをこのような速度域でもキッチリ応用して使い切る「魂」の成果だと思います。
今回の活躍に対しては、心からの拍手を贈りたいと思います。 こうしたすごい人が身近にいることに、僕は感謝します。
あ。
え。
同じくファンタジーからは、ルーキー・ポコちゃんが参加しましたが・・・・。
なんですか?
あ、このタイムってことは、N1クラスだったんですね(笑)?
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