[2004/12/08] 2005年地区戦クラス区分の顛末

【んなアホな】
2005年度のJAF関東地方選手権/JMRCチャンピオンシリーズ(以下地区戦という)のクラス区分について、ひと悶着あったことをお聞き及びの方もいるだろう。
とはいえ、S車両クラスの人以外には「対岸の火事」くらいの話だから、知らない人も多いかと思われる。
というわけで、僕の関わった範囲で起こったことをお知らせしようと思う。

ことの発端は、来年度の地区戦のオーガナイザー会議で「2005年度のクラス区分は2004年と変更なし」と決定した、という話を耳にしたことだ。

これは一見すると、「ああ、そうなの。」と聞き流してしまいそうな話だが、ちょっと待って欲しい。
たしかにN車両についてはそうなのだが、S車両については話が全然違うのだ。


【どうなってるの?】
ご存知の通り(知らなかったら勉強してね)、「日本ジムカーナ/ダートトライアル選手権規定(以下、選手権規定)」において、来年度のS車両クラスについては今年まで行われていた混走を取りやめ、それぞれ独立したクラスとなることが決定していた。
この規定に対応するように、「スピード車両規定」もすでに公示されている。
ひとことで言うと、SC車両は改造度合いをより強め、SA車両との差異を広げている。「スリックタイヤの導入」と「(2輪駆動車は)カタログ重量から200kgの軽量化可能」といったものがその骨子だ。
一方SA車両はほとんど変わっていない。

われわれSA車両乗りは、2年前のJAFの「お見限り」以降、“お情け”で残してもらった非主流派に落ちぶれ、改造車と混走させられ、パドックは隅っこに追いやられ、不当な弾圧による不遇な日々を耐えぬいて来た(大げさだ)。
そんなわれわれにとって、SA車両の復権は願ってもない朗報であったことは言うまでもない。
その報に接した時は、手に手を取り合って喜び、嬉し涙で塩辛くなった盃を一晩中かわしたものである(ウソです)。

ところが、この著しく違うSA車両とSC車両を相変わらず来年も混走させようと言うのである。
われわれの希望を見事に打ち砕く、まったく理不尽な決定と感じるのは当然のことであろう。
これを噴飯ものといわずしてなんと言おうか(“飯”を“噴”き出すとは見事な表現よのぉ)。
いくらなんでもこりゃぁひどすぎる。
一体どういう了見でそんな大事なことを決めてしまったのか。


【黙ってはいられない】
ということで、これはさすがに黙っていられないので、僕は行動することに決めた。
関東でもっとも信頼できるJAFの委員の方に確認し、この決定が事実であることを確かめたのち、JMRC関東ジムカーナ部会に「要望書」を提出する方針を決めた。
しかし、この決定を聞いたのが11月15日。
部会の開催はその週の水曜日、つまり17日と迫っていたのである。

慌ててS2クラス、S1クラスの声をかけられる限りの選手に声をかけ、要望書の趣旨と賛同の連名を呼びかけた。
こうして16日の夜までに、10数名の賛同者が得られた。
関東のSA車両乗りの数と、準備期間を考えると上出来だったと思う。


【要望書の骨子】
要望書の骨子はこうだ。

・来年度の地区戦クラス区分を聞いたが到底納得できる内容ではない。
・SAとSCの混走はもはや無理である。
・それを行うことに合理的根拠がなく、理不尽な決定である。
・よってクラス区分の再考を求める。
・選手権規定と同じ区分が望ましい。出来ないのなら理由を教えてもらいたい。
・クラス区分変更が出来ないなら、納得性のある公平化措置を講じてもらいたい。
・JMRC関東が当事者でない場合は、当事者に引きまわしてほしい。

まぁこんなことを書いたわけである。

実は要望書を書いている途中で、オーガナイザー会議の場でもさすがにSAとSCをそのまま混走させるのは無理だと分かっていたようで、特にタイヤサイズを中心として検討はされたらしい、という情報が入ってきた。
が、それでも全然不充分であることは、聞いた瞬間に分かるくらいお粗末なものだった。
やはり要望書をもって具体的に提案しなくてはならない。


【で、どうなったか。】
提出は、本来なら僕自身が携えて部会に赴くべきだったが、仕事上どうしても無理だったので、千葉ジムカーナ部会長に個人的にお願いした。
(一部では千葉ジムカーナ部会が要望書を出したと思われているようだが、事実はこの通り、千葉部会長は単にメッセンジャーボーイを努めてもらっただけである)

後から話を聞くに、部会当日は他の議題が詰まっていて審議できず、その週末に開催されるJMRC関東ジムカーナフェスティバル(関フェス)の場で臨時に部会を開いて再度検討する、ということになったようだ。

実はその間、具体的には部会の翌日、JAFスピード行事部会が開催されて、この関東が採用しようとしたクラス区分が正式に却下されたようだ。
前出の信頼できるJAFの委員の方の働きかけもあったようだが、実は今回の関東が決めたクラス区分では、SC車両規定をいじることになるため、そもそも無理ではないかという問題を抱えていた。
その点が見事に指摘され、あえなく選手権規定通りのクラス区分とされた模様だ。

関フェスの場行われた臨時部会は、これを確認し、クラス区分の変更をきめたらしい。

結果について言えば、我々の要望通りになったことになる。
ただし、現在のところ正式なアナウンスメントはどこからも出ていないので、その点に留意されたい。


【要望書ってなーに?」
ぶっちゃけた話、「要望書」なんてものは公式に存在しない。定められた規則もないし、効力もない。
逆にいうと、明確な規定がないから自由に提出できる類のものだ。「意見書」とか「質問書」なんつーのも同じモノである。

そもそも、民主主義国家の任意組織であるJAFやJMRCにおいて、自分の意見を表明する場を奪われるなんてことは絶対にあってはならない。
ただし、どうにかしてもらいたいと思うのなら、陰でコソコソひそひそと文句を言っていてもダメなのだ。
だから、正々堂々と公に意見を表明する手段としてこの手の文書は有用なんである。

公に表明された要望・意見・質問を、どう扱うかは受け取る側次第だが、どう扱うかによって受け取る側の度量や姿勢が問われる。賢明な主催者ならこれを無視することが、ひいては自分の首を締めることになることくらい、すぐ分かるはずだ。
分からないのならただのバカ。
バカにはバカなりの対処がある(^^ゞ


【今回の要望書に意味はあったのか?】
結果だけで言うと、要望書なんか出さなくてもJAFによって否決されていた可能性は高い(^_^;)。
無駄足の勇み足だったかもしれない。
でも、他人が、誰かがうまくやってくれるだろうと考えているだけでは、もし意にそぐわない事態になってから文句を言っても、もう遅いのである。

それと、要望書を出す時点で、我々はある程度の落しどころを想定していた。
オーガナイザー会議によるクラスの統合は、選手権規定に定められたオーガナイザーの権限であることを僕は理解していた。しかしこの決定があまりに不合理かつ理不尽だと感じたために要望書を出すことにしたのだ。
だから、決定を覆すことが不可能かもしれないことは予想していたので、より現実的に公平化措置の制定に我々の意を反映することを視野に入れていた。

「あなた方の決定や議論について、関心を持って注視している選手がたくさんいる」ということを知らしめる目的が最初からあった。いわば牽制である。

そういう意味で、目的は達していると考えていいと思う。


【意見を言うヤツは、ウザい正義の味方か?】
まぁ、そういう人もいるでしょうね。
特に2ちゃんねるに巣食う“自称”ジムカーナ屋は。

でも、そういうのはこの際ばっさりと捨象していいと僕は思っている。
僕だってあれこれ得体の知れないヤツから言われて、気分がいいワケがない。これでも人知れず傷ついているんである。

でも、彼らには決定的な弱点がある。
ネットという柱の陰に隠れて匿名でしかモノが言えないがために、現実の世界で何ひとつなし得ないということだ。
ネットでいくら真剣に議論をしても、また本当は非常に有用な意見を述べたとしても、それを誰かが知らないうちに取り上げて実現してくれる、なんてことはありえないのだ。

どうにかして欲しければ自ら具体的に行動して訴えて行かねばならない。

それが大人の行動ではないだろうか。
誰かがやってくれるのを待っている、なんてのは、甘ったれた子供と同じである。大人としてはあまりに幼稚で怠惰な態度ではないだろうか。

はっきり言っておくが、僕が公に意見を言う時は、「これを言うことによって不合理な扱いを受けるようなことがあったら、いつでもジムカーナなんて辞めてやるわい。」と考えている。常に背水の陣である。
当たり前だ。
僕はジムカーナをやるために日々働いて稼いでいるのだ。働いて稼いだ金を投入するに際して、正当な権利を行使することにためらってなんていられない。それは自らの行動を否定することを意味する。

生半可な覚悟でグチグチと文句を言ってるのとは、迫力が違うのは当然である(笑)。

ダートラはどうだか分からないけど、ジムカーナ、特に関東のジムカーナ選手はおとなしすぎる。意見をバンバン言って衆人監視の中に置けば、JAFもJMRCもより効率的に機能するようになるのだ。

それが結局、自分が戦うフィールドを、より楽しいものにして行くんだよ。


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